「人々の心の中に眠る明菜への思いを呼び起こそう」 中森明菜デビュー40周年記念広告の制作秘話

作者:Canisi

 

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「40年もの長い間、歌をみがき続けて今や頂点に――」現在の明菜は、私たちの目にはまさにこう映る。これまでの歩みをふり返ると、彼女は一度も自分に限界を決めたことはなく、自らの壁を超え続けて、アイドルから歌手へ、そして歌姫へと進化してきた。私たちは彼女の洗練された美しさに心を引かれ、類いまれなる才能にため息をつき、艶やかな歌声に感嘆する。でも、もっと愛すべきは、彼女はその活動に波があろうと、歌への熱意を忘れたことはなく、好きな音楽をいちずに追求していることだろう。人生の年輪が刻まれても、彼女の「美しさ」が色あせることはない。だから、私たちも彼女に寄り添い続けるのだ。その努力は称賛に値することを、明菜自身にも分かっていて欲しい。

 

しかし、新型コロナの拡大で世界の状況は変わり、この2年間は芸能活動にも影響があっただろう。ファンクラブ会報に掲載された明菜直筆の手紙からは、彼女の感じる寂しさやファンへの気づかい、そして目の前の状況に対する無力感が感じられる。私たちは何とかして彼女を励まし、大勢のファンが応援していることを伝えたいと思う。

 

明菜は人々の心の中に住み続けている。彼女のファンには若者も大勢いるが、何といってもその中核をなすのは、1980~90年代に明菜に夢中になった世代だろう。それ以降は、もしかしたら生活の忙しさや環境の変化、出産育児などさまざまな理由から、彼女の歌に耳を傾けることを忘れてしまったかもしれない。でも、明菜の名前を聞きさえすれば、歌声が心によみがえるはずだ。それは、反抗心のこもった「少女A」かもしれないし、硬派な「十戒」かもしれない。あるいは、聞く人の心を揺さぶる「DESIRE」や、失恋の悲しみを歌った「難破船」かもしれない。ファンであれば、繰り返し聞いた歌詞がよどみなく思い出されるだろう。

 

それならば、かつて心を熱くしたその明菜への思いを再び呼び覚まし、みんなの気持ちを彼女に届けることができたら、どんなに良いだろう。

 

こんな思いを込めて、私たちは広告を制作した。そして、広告の完成に私たちは喜んだが、人々の心の中に眠る明菜への思いを呼び起こし、もう一度その歌声に耳を傾けたり、明菜の最近の楽曲を購入したりする人が増えるなら、もっと嬉しいと思うようになった。

 

最後に、明菜の「I Hope So」から、筆者が好きな歌詞を引用してお届けしたい。

 

GET ANYPLACE…HOWEVER

羽広げて

GET ANYPLACE…HOWEVER

見下ろせたらこぼれた

砂に埋めよう

わかり得ない傷跡

蜃気楼と笑える今なら

 

私たちは信じている。どんな状況にあったとしても、明菜が必ずや再び美しい羽を広げ、私たちの前に現われてくれることを。その時はきっと、皆で喜びの声を上げ、拍手喝采で彼女を迎えたい。

 

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